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赤い扉の向こうには、見たことのない景色が広がっていた。
楼蘭 ―ろうらん―
そこは鮮やかで、それでいてどこか寂しげな紅が埋め尽くす世界。
その現実離れした光景に圧倒される間もなく、見慣れない衣装に身を包む男達が現れる。
三年に一度だけ訪れる閏月。
十三月の朔日に扉は開く。
対立する二つの勢力。
三年ごとに外の世界から訪れる『客人』の存在。
無人のまま走り続ける路面電車。
地下に存在すると噂される、秘匿された夜の街。
現代へ帰る方法を探すのか、『彼』と生きるための道を選ぶのか。
その選択が未来を決める。
いくつもの道を示された時、『私』が選ぶのは──
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